AO入試って、ある程度のボランティアとかに参加させて、志望理由書を塾で手伝ってもらって、英検2級くらいあって、成績が5段階の3.5〜4.5くらいあれば大丈夫でしょうか? うちの子、勉強好きじゃないけどボランティアとか何かに参加するとかの積極性はあります。 なんとかガツガツ勉強しないである程度の大学に合格させたいです。 そういう考えで合格できそうでしょうか?
結論から言うと、ボランティア+その他活動+塾で手伝ってもらって書類作成というAO入試の考え方は非常に危険です。 なぜなら書類は不合格になったらただの紙くずになるからです。 頑張って作成したとしても一般入試には使えませんし、将来の履歴書にも「特技:志望理由書書く事」とか「経験:AO入試の志望理由書作成」とか書くことができません。 ましてや先生に手伝ってもらって、ほぼ先生の作品のような志望理由書であればなおさらお子さんには何のプラスにもなっていません。
そういった考えは完全にAO入試の落とし穴にはまるタイプです!
✴︎この記事を書いているわたしは、娘が高校に入学した瞬間からAO入試について調べていました。 なぜなら大学付属ではない高校だったからです。 塾オタクかと思われるほど数々の塾の説明会にも行き、何が必要なのかも調べました。 もちろん一般入試についても海外大についても調べていました。 結局、娘は海外大に行きましたが、周りのママ友の子供などでAOでうまくいった人、失敗した人を見てきました。 どういう人がAOでうまくいくのか? AOで失敗しても一般でリカバリーできる人ってどんな人なのか? AOで失敗して一般でも失敗する人はどういう人なのかをある程度見てきたので、わりと信頼できる情報かと思います。
【この記事を読むメリット】
①日本語系AO入試と英語系AO入試の違いがわかる
②ラクしようと思ってAOを選択すると落とし穴にはまる理由がわかる
③どんな人が合格し、どんな人が不合格になるかがわかる
④AOで不合格になっても英語保険があればリカバリーできることがわかる
⑤正しいAO入試対策は就活にも活かせる対策だが、志望理由書「だけ」に頼ると落とし穴にはまることがわかる
以下のコンテンツの順番に解説していきます
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Contents
AO入試の志望理由書:日本語系学部AOと英語系AO入試の違い
AO入試には大きく分けて
●日本語系AO入試
●英語系AO入試
があります。
英語系AO入試を真剣にやっているとAO入試の落とし穴にはまることは少ないですが、日本語系AO入試だと注意が必要です。
詳しくはその違いを見てみましょう!
↓
日本語系AO入試とは?
志望理由書:日本語
小論文:日本語
面接:日本語
英語力:一部の大学ではiBT100前後
一部の大学では英検2級でも出願可
学校評定:指定がなくても学校評定は高いほど合格率上がる
大学の授業:日本語
特徴:活動、ボランティア、表彰、研究などが重要視される
社会科学・時事問題知識があり論文力が高いことは必須。
ただ、どういう人が合格するかという明確なものはない。
国際系学部AO入試とは?
志望理由書:英語(一部例外あり)
小論文:英語
面接:英語
TOEFLスコア:iBT100前後(英検1級以上)
*TEAPや英検やTOEICでは合格しにくい。TOEFL or IELTSで出願しよう。
参考記事→TOEICとTOEFLの違い
SATスコア:一部の大学で必要
✴︎SAT:アメリカのセンター試験みたいなもの
学校評定:指定がないところでも学校評定は高いほど合格する
大学の授業:すべて英語
特徴:大学の授業がすべて英語なので、かなり高い英語力が必要となります。
英語力が高い+学校評定(成績)が高いと合格する可能性は高いです。
日本語系AOより合格するかしないかが合否の前に予想しやすいです。
高い英語力➕高い学校評定=合格 という方程式はある程度あります。
AO入試は志望理由書だけでラクと思うと落とし穴にはまる
大きく分けて2つのタイプの親
世の中には
①子どもには苦労をさせたくないと思っている親
②子どもにはしっかり勉強させて成長させたいと思っている親
大きく分けるとこの2種類がいると思っています。
結論からいうと、①のタイプの親、そしてそこで疑問にも思わず育った子どもがこのAOの落とし穴にはまります。
もちろん①の親を持っても、子どもは頑張り屋さんっていう場合もあります。
しかし①の親に育ったラクをしたいと思っている子どもがAOの落とし穴にすっぽりとはまります。
なぜなら「小論文」と「志望理由書」「面接」だけで簡単に受かるならやらせてみよう!って安易に思っちゃうからです。
志望理由書とは?
AO入試は「志望理由書」というものがとても重要になってきます。
バイトの履歴書にある「志望理由」とはわけが違います。
少なくとも3週間、長い人だと数か月かけて練りに練って仕上げます。
関連書籍を読みあさったり、かなり努力をします。
AO入試の志望理由書って、どんな内容を書くんですか?
それは以下のような内容になります
↓
●自己アピール
ボランティア
表彰されたこと
将来の計画
など
●なぜその大学なのか?
その大学にしかない良さを語ります。
●なぜその学部なのか?
その学部について詳しく知っていることをアピールします。
●大学で取得したい授業について
シラバスを調べて事細かに取得したい授業を書きます。
●将来のゴール
過去の経験から大学での勉強を経て、将来どうなっていくことを計画しているのかを詳しく書いていきます。
ざっくり言うならばこんな感じです。
文字数は2000字とか5000字とか様々です。
志望理由書の他に自己PRであったり、学習計画書などを提出する大学学部もあります。
ボランティアなどの参加証明書なども同封したりもします。
大学教授が納得できる「論文レベル」である必要があるのです。
落ちても受かっても志望理由書は紙切れ
落ちても受かっても、志望理由書は受験が終わればただの紙切れです。
もちろん色々調べる過程で、自分の人生について深く考えるので決して無駄な時間ではありません。
では合格した場合、不合格だった場合を見比べてみましょう!
●AO入試の志望理由書が素晴らしくて合格したら?
受かっても何かの実力があるわけではありません。
でもまあ、受かれば「大学受験」というくくりの中では成功ですね。
「大学名」はゲットしたわけなので。
将来はどうかというとわかりません。
なぜなら、履歴書の特技や資格の欄に「志望理由書作成」なんて書けませんから。
でもまあ、運よく志望大学に合格すればラッキーです。
●AO入試の志望理由書が素晴らしかったのに不合格だったら?
不合格だった場合・・・志望理由書を書いたこと以外に英語力もその他の科目の実力がないとしたら、その後のその他のAOや一般入はどうするのでしょう?
いわゆる教科の勉強が遅れています。
AOの合否は高3の秋に出ます。
秋からいわゆる受験勉強をスタートして1月、2月に間に合うのでしょうか?
●AOと並行して一般入試も考えていればOKなのか?
AOと一般の勉強を並行して考えて勉強していたらおそらく大丈夫なのですが、高3の秋でまだ英語力が英検2級くらい、だとかなりヤバイです。
(国立早慶上智MARCHを狙うなら、という意味です)
高3の秋に英語力が低いと、いくら世界史、日本史、古文・・・を頑張っても国立早慶上智MARCHレベルは届きにくいです。
注意!! ママパパの時代に高校生で英検準1級を持っていたら「神」だったかもしれませんが、今の時代は準1級レベルでは早慶届かないと思います。 2級で大学受験するとか無謀すぎます! 親の時代の常識は通用しませんよ〜
●結論
そうなんです。
受かっても、落ちても、その「志望理由書」は将来の履歴書には書けないし、一般入試でその書類を武器に出願することもできないのです。
英語力が低いと、その先どうするのか?
行き先不明になりがちです。
AO入試は志望理由書だけじゃない:受かる人ってどんな人?
その前に落ちる人はどんな人?
AO入試というカケに出る
AO入試に役立つからちょっとボランティア参加しておこう!
AO入試に役立つかもだから交換留学にでも行っておこう!
活動したから書類だけ書けば受かるかもしれないからやってみよう!
一か八かやって受かったら儲けもんだな!
大切な人生の大事な受験なのに一か八かのカケとかはちょっと怖いですね
本当にそうですよね〜
最悪なのは完全他人まかせ
もっとまずいのは
ボランティアも留学もしていないのに出願の数ヶ月前になって思い立って、志望理由書を塾の先生と仕上げて、小論文をちょこちょこっと練習するだけっていう「なんちゃって受験勉強」だけをして出願して試験を受ける人です。
不合格になっても取り返しがつかないし、万が一、合格しちゃうと「人生ちょろいもんだ」なんて思って生きていってしまいます。
そんな人、いるんですか?
ところがけっこういます。 子どもに少しでもラクに受験を通り抜けさせたいという親が多いと思います。 でもその後の子どもの人生、相当苦労しそうですけどね。
薄っぺらい人間性は試験当日、面接時にバレる
☝︎ラクをしようとしてAOを選んだことは面接などで簡単にバレます。
●志望理由書は指導した先生の作品
志望理由書は専任の先生と書くので提出書類は専門の塾に行けば、ある程度レベルの高いものを提出可能でしょう。
しかしその内容も情報も能力もすべてその先生のものです。
●面接でバレる
志望理由書の内容は本当に本人の思いなのかどうか、面接官はその辺をかなりつついてきます。
この志望理由書に書いてある例はわかりやすくていいですね。 では今回は違う例を挙げて説明していただけますか?
とか
他にどのような本を読まれたか、3冊くらい挙げて、それぞれそこから学んだことを教えてください
などなど本当にその人の「思い」がある志望理由なのかどうかを面接で聞かれるので薄っぺらい理解であった場合は簡単にバレてしまいます。
志望理由書は自分で書いてないことが当日の小論文でバレる
当日に小論文がある場合、志望理由書の素晴らしい文章とかけ離れた力しかない小論文しか書けないと・・・・
怪しい・・・この志望理由書は絶対に誰かの手が相当入ってるな・・・
とバレてしまいます。
合格する人って?
●合格する人の特徴をいうならば
①起業しているか、しようとしている、ボランティア団体を立ち上げた、などチャレンジ精神、実行力があり、精神的にかなり大人な高校生
②発明した、研究している・・・などマニアックなことに熱心な高校生
③哲学や文学などのオタクで、本を片っ端から読みあさり、その時代背景の世界史や中国史、日本史などの影響やつながりも理解している知的好奇心いっぱいの高校生。
●結論
要するに、志望理由が「本物」であるために、受験者本人の思いが本物でないと受かりません。
合格するタイプなら必ず合格?
チャレンジ精神旺盛な人、マニアックなことに熱心な人、知的好奇心旺盛の文学オタク、ボランティアしまくり、読書家、発明家、起業家・・・などであれば必ず合格しますか?
答えはNO
そういう方々は合格する可能性は高いです。
しかし志望理由書というものに正しい答えがはっきりとあるわけではないので、その志望理由書で合格するかどうかは全く読めません。
●大学教授との相性
その大学学部も面接官に気に入られたら合格しますが気に入られない場合は不合格です。
●結論
どんながんばっても、教授に気に入られないと不合格。
日本語系AO入試は結局、教授との相性だった
●こんな人でも不合格になることもあるが合格する可能性はおおいにある
・高校生で起業した
・高校生でボランティア団体立ち上げた
・何かを発明した
・全国大会で優勝した
・文学オタクのようにかなり詳しい
・現地でインターンシップに参加し、会社からの推薦状もある
・時事問題にかなり強い
●こんな人でも合格することもあるがその可能性は極めて低い
・英検2級しかない
・ボランティアに参加しただけ
・起業を考えているだけ
・地区大会で優勝しただけ
・時事問題は少しかじった程度
ってことは、どっちにしても確実性はないってことですね〜 AOってチャレンジするのは怖いな〜
はい、そうならないように保険をかけよう!という話をしますね!
もう少しだけお時間ください。
AO入試は志望理由書に頼らず不合格の場合の保険をかけよう
保険がない人=落とし穴にはまる人
【落とし穴にはまる人の特徴】
・英語力が英検2級しかない
・国語力が弱い
・世界史・日本史の知識がない
・古文・漢文が苦手
・AOの書類にすべてをかけていて他の準備がゼロ
保険がある人=落とし穴にはまらない人
【落とし穴にはまらない人=保険がある人】
・英語力が高い TOEFL iBT100前後
・国際系大学AOに受かるくらいの英語力
・日本語系AOと同時に国際系AOも出願できる
・TOEFLスコア、英語力を生かした一般入試に勝ち目がある
【落とし穴にはまらない人を簡単に言うと】
英語力が高い人!=TOEFL iBT100前後の人(最低でも80以上)
【保険をかけていなかった例を見てみよう!】
①慶應FITにチャレンジして不合格
→英語力もその他の知識もなく行き場がなくなり行く大学はMARCH以下
②ICUのAOにチャレンジして不合格
→国際系志望なのに書類ばかり作っていて英語力は準1級どまり
→行く大学は国際系でもないMARCH以下
③上智大学公募制推薦入試で不合格
→英検2級から出願可能だったから2級のまま出願
→2級しかないから国際系AOには出願できない
→一般入試で2級だとMARCHも歯が立たない
→行く大学はMARCH以下
【英語力という保険をかけていた例を見てみよう】
①慶應FITにチャレンジして不合格
→英語力が高いので英語以外を秋からがんばって一般で慶應法学部合格
②ICUのAOにチャレンジして不合格
→英語力が高いのでICUのユニバーサルアドミッションにも出願して合格
→英語力が高いので上智国際教養書類選考でも合格
→早稲田大学国際教養学部AO入試も合格
③上智大学公募制推薦入試で不合格
→英語力が高いので上智大学国際教養学部書類選考で合格
→英語力が高く数学が得意なので慶應大学経済学部一般入試で合格
→英語力が高いので小論文を秋からがんばって慶應SFC一般入試で合格
→英語力が高いので上智大学外国語学科英語選考に一般入試で合格
✴︎本記事の筆者のわたし個人の意見は、MARCH以下の大学がNOなのではなく、AOで狙っていたところとかけ離れたところに実際は行く可能性があるなんて高校生には想像もできないことだからこの記事でその事実を伝えようとしています。
基本的に大学で人生はさほど変わらないと思います。
しかし高校生にとって、早慶上智に向かって志望理由書を真剣に作成した後、実際に通う大学のランキング的レベルが低いとかなりショックを受けるのであらかじめ事実を伝えています。
英語力は高いほどいいなんてちょっと考えればわかること
考えてみましょう!
経済をするにしても、経営をするにしても、何をするにしても、英語力ってこの時代、とても大切なんです。
だからこそ一般入試の英語の配点が高くなっていますし、共通テストの英語4技能資格試験利用は延期となりましたが、社会が会社が英語力のある人を求めていることに変わりはないどころか、その勢いは超加速しています。
日本語系AOは「小論文だけの簡単な入試」なのではなく、高い英語力にプラスして人間力やチャレンジした経験が必要な入試です。
AO入試は志望理由書「だけに」頼るべきではない
AO入試は就活みたいなものです。
就活? なんでAO入試は就活みたいなんですか?
以下のAO入試でトップ大学に合格する人について見てみましょう。
↓
【AO入試でトップ大学に合格する確率が高い人】
①高い英語力(TOEICでは×) 参考記事→TOEICとTOEFLの違い
TOEFL iBT100前後
②経験(ボランティア・留学・インターンシップ・団体立ち上げなど)
③論文力
④社会科学知識・時事問題知識
⑤対話力・ディスカッション力
⑥人間力(大人度が高い必要があります)
⑦目標設定+行動計画+実行力
本当だ! こんな人なら就活まで安泰ですね〜
そうなんです! だからAO入試対策を志望理由書だけの対策にしないで
TOEFLスコアアップ+志望理由書などの書類作成+小論文対策
これで一般でもリカバリーできるし、将来までつながる最高の受験勉強になります!
AO入試は素晴らしいグローバル入試
AO入試はよって素晴らしい入試です。
まだまだ学校の先生さえその正しい知識がある方が少ないのが残念ですが、グローバルな観点からみると、アメリカもカナダもオセアニアもヨーロッパもAO入試しかありません。
✴︎2019年時点で、地方の高校の先生、関東でも国公立の先生はAOの知識がほとんどないです。
なぜなら大学側は上記のような就活のような観点から合否を決めたいからです。
ただただ数学・国語・英語などの偏差値が高いだけで学生を選びたくないからです。
就活に有利な学生を集めると就職率もよくなりますので納得ですね。
AO入試は社会が本当に必要としている人材を選ぶ入試です。
本当に欲しい人材だからこそ、一般入試より先に合格が決まります。
日本の教育は足踏み状態(2019年)、世界はグローバル化に向けて超加速⇨日本どうなる?
日本の2020年の大学入試改革はほぼ延期になりましたね
・共通テスト英語4技能資格試験利用は延期
・記述問題が増えると言ったのに延期
日本はまた保守派というか老害が未来に向かうのを止めてますが
経済界は、社会は、世界は
英語力+人間力
がある人を求めています
もし子どもが上記のような、現代社会が必要としている「英語力」、「人間力」や「論文力」、「対話力」などで評価される人になってくれたらいいなあと思っているのであれば、今からAOを意識して育ててあげると良いと思います。
大切な子どものかけがえのない人生を心を込めて応援してあげましょう!
今回は以上です。 長い記事でしたが最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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